南オーストラリア州観光省 ゾーイ・ベティソン大臣をJCCiADLオフィスにお招きしました。

南オーストラリア州観光省 ゾーイ・ベティソン大臣をJCCiADLオフィスにお招きしました。

2023年7月12日、「南オーストラリアと日本との観光ビジネス展望」について、南オーストラリア州観光省 ゾーイ・ベティソン大臣からご講演をいただきました。

講演では、南オーストラリア州と日本間でのビジネスの近況に続き、水素、フード&ワイン、ツーリズムの各分野における最新動向について共有いただきました。

南オーストラリア州と日本間でのビジネス近況

・日本はオーストラリアにとって最大の海外直接投資国のひとつであり、2022年時点で第4位にランクしている。

・南オーストラリア州では、日本から25億ドル以上の海外直接投資が行われ、20年間で約2,200人の雇用が創出されたと推定されている。

・州政府の推定では、南オーストラリア州には70社以上の日系企業が進出している。

・南オーストラリア州は、2023年4月までの12ヶ月間に6億2,200万ドル以上の商品を日本に輸出し、輸出品目のトップ5を食品が占めた。

・同期間、南オーストラリア州は日本から14億ドル以上の商品を輸入している(前年比12%増)。

・南オーストラリア州への日本からの観光客は回復傾向にあり、2022年には約4,000人の観光客が南オーストラリア州を訪れている。

水素

・南オーストラリア州と日本は、共に脱炭素経済への具体的な目標を掲げ、州政府は2025年までにブルー水素とグリーン水素の両方を輸出することを目標としている。

・Whyallaに世界有数の水素発電所、電気分解機、貯蔵施設を建設するために5億9300万ドルを拠出した。

・2050年までにカーボンニュートラルを実現し、温室効果ガス排出量を46%削減するという日本の目標を背景に、日本が脱炭素技術やイノベーションを取り入れていることを州政府として承知している。

・南オーストラリア州と日本は、将来的に更なる協力関係を築く大きなチャンスがあり、日本企業は、燃料電池技術の技術革新という点で確実に付加価値を与えることができる。

・昨年ピーター・マリナウスカス南オーストラリア州首相、トム・コウタントニス・エネルギー鉱業大臣、ニック・チャンピオン貿易投資大臣が日本を訪れ、水素技術、政策、枠組みについて理解を深めたが、今年3月に東京で開催されたFuel Cell 2023ではチャンピオン大臣が南オーストラリア州のグリーン・エネルギー部門を紹介するとともに、世界の主要投資家、トヨタ自動車などのメーカー、研究者、政策立案者と交流している。

フード & ワイン

・質の高い料理とワインを愛する日本は、長い間、南オーストラリア州との強い経済的・文化的結びつきを築いてきた。日本料理と南オーストラリア産の農産物の融合は、私たちが推進してきたことでもある。

・今年東京で開催されたFoodExでは、テイスティング南オーストラリア・ブースを出展し、南オーストラリア州の最高品質のプレミアム・ブランドが一堂に会した。

・この成功に続き、在日オーストラリア大使館で開催された料理デモンストレーションでも、南オーストラリア州産のプレミアム製品をアピールした。

・日本における南オーストラリア産ワインへの親近感を高めるため、政府は日本市場に南オーストラリア産ワインを紹介する取り組みも強化している。

・今年5月には、30社のワイナリー代表が東京と大阪を訪れ、バイヤーにワインを紹介した。また、日本からも輸入業者がアデレードを訪れてワイン産地を視察している。

ツーリズム

・日本は、南オーストラリア州にとって成長する可能性を秘めた新興市場である。

・2020年3月までの1年間、オーストラリアには422,000人の日本人観光客が訪れ、コロナ禍以前のオーストラリアへのインバウンド市場としては第5位となった。

・同期間、8,000人の日本人観光客が南オーストラリア州に到着し、2,100万ドルを消費した。

・SATCは2022年、日本語ウェブサイトを開設し、日本市場に南オーストラリア州の主要な旅行情報を提供するとともに、南オーストラリア州のマーケティングを伝えるより良いプラットフォームの提供を開始した。

(南オーストラリア州にとっての機会)

・日本人旅行者にとって最も重要な3つの魅力は、「美しい景観と野生動物」、「美味しい料理とワイン」、「安全と安心」だが、南オーストラリア州が提供するすべての観光サービスは、これら3つの要素に合致している。

(航空アクセス)

・日本はオーストラリアと南オーストラリア州を結ぶ直行便を実現するため、南オーストラリア州首相は日本航空(JAL)と最近会談し、JALのネットワーク拡大計画にアデレードを加えることを強く希望していることを表明している。また、州首相は、アデレードへの直行便を支える南オーストラリア州の観光、貿易、資源、国際教育、防衛産業の強みを強調した。

・今後、南オーストラリアと日本の投資家が会談を行う上で、直行便の就航が重要と認識している。